ロードサイクルイベントで宇都宮を盛りあげろ。
沼尾博行が宇都宮市の商業観光課に配属されたのは1989年(平成元年)4月。
時はバブルの真っ盛り。華やかな時代の流れとは裏腹に、宇都宮市ではその年の2月に大谷地区で大規模な陥没があり、観光面で大きな打撃を受けていた。
そのような時期に観光振興の担当である観光係長として配属された沼尾が最初に取り組んだのは、その大谷地区のイメージアップをどう図るかということであった。
沼尾は、大谷地区の安全性をアピールするため、全国から多くのサイクリングファンを大谷地区に集め、実際に大谷を自転車で走ってもらおうと考えた。
そのイベントは「宇都宮ロードサイクルフェスタ」と名付けられ、10月に開催することが決定した。準備期間は半年もない。コース設定のための現地調査、関係団体・関係機関との調整や打合せ、参加者募集のためのPR活動など、沼尾は目の回るような毎日を過ごしながら、必死で取り組んだ。
その結果、全国から700名以上の参加者が集まり、イベントは大成功を収めることとなる。
余談だが、現在では「宇都宮ロードサイクルフェスタ」は名を変え幅広いサイクルイベントとなっており、この成功が現在の「ジャパンカップサイクルロードレース」の誘致等による「サイクルシティ宇都宮」構想につながるのである。